さぎりが照れ隠しに、おはぎを口に頬張ると、御影がため息を吐きながら、小さく呟いた。

「これだけ好かれているのに、あの子は何をしているのかしらね」
「え?」
「いいえ。なんでもないのよ、さぎりちゃん」

 首を傾げるさぎりに、御影は微笑むばかりで、何も言わなかった。