「か、奏さん~っ」



ごめんなさい、ごめんなさい。

奏さんは、ああ言ってくれたけど、



――痕が消える頃、また会いに来る



「私、もう……あなたに会う権利、ないんですよ……っ」



どうしようもなくなった思いを捨てきれない私は、せめて一日でも痕が長く続くようにと。

お風呂を出た後「絆創膏を持ってきて」と、澄に頼むのだった。