「どーして早く言わないのこの子はー!!」

「え、えぇ?」

「いっぱい悩む事もあっただろうに、どうして私に相談しなかったのか大バカものって言ってんの!」

「っ!」



今にも泣きそうな顔をする澪音。顔という顔に「ごめんなさい」って書いてある。



「と言っても、事情が事情だから言い出せなかったんだよね?」

「はい……その通りです~っ」



あ、泣いちゃった。
ハンカチ……は、忘れちゃったから、教室にあるテイッシュ箱を持ってくる。



「はい、鼻水」

「チーン!」



鼻水は止まっても、澪音の涙は止まらない。ひたすら「ごめんなさい」と謝ってる。



「黙ってたことを怒るわけないじゃん。むしろ、話してくれてありがとうね」

「ふくちゃん……」

「でも、一つだけお願いしていい?」

「な、なんなりと!」



ズシャと。目上の武士に土下座をする勢いで、澪音は頭を下げた。