「でも夜野が俺の隣に並ぶ日は、そう遠くないと思うんだ」

「……なんで、そう思う?」

「なんでかな。やっぱ”守る者がある奴”ってのは強くなるんだろうな。本人の意思にかかわらず」

「まぁ、夜野の彼女が日向だもんな。日向は熱血だから、”もっと強くなるように”って夜野を特訓しそうだ」

「……ぶッ」



日向にシバかれてる夜野を想像したのか、生吹が吹き出した。コイツのこんな汚い姿、美月ちゃんは知らないんだろうな――なんて思いながら、俺も白い目で見る。



「まぁ、強くなるなら理由はなんだっていいさ。夜野が俺と並ぶ日まで、この話は内緒だぞ。一輝」

「へいへい」



そしてお互い、紙パックのジュースを手に取る。

そして、どちらからともなく……それを互いに軽くぶつけた。


コツン



「もう少しの間、頼むぞ。右腕」

「はいよ」



*一輝*end