「言ってない。その日まで、言うつもりもない」

「俺はどうすんだよ。今さら”聞かなかった事に”はナシだぞ」



こんな衝撃的な事実、寝ても覚めても忘れられねーわ――

そう思っていると、生吹は変わらずパンを頬張った。

そして頬張りながら、



「いい、一輝は別」

「……」



……なんか、ズリぃな。

予想外の言葉にパンを食べずじまいでいると「いらないのか?」と生吹。



「いらないなら貰うけど」

「例えいらないとしても、お前にはやらねーよ」

「ケチだな」



ふっと笑って、生吹は再び自分の菓子パンを頬張る。



「ってか次の総長はどうすんだよ。このままいけば夜野か?」

「そうだろうな。ただ……アイツには総長の件は言わないでおく」