「澪音はどうした⁉」
さっきまでお酒にあてられ赤くなっていた顔は、今や真っ青。そんなお父さんの傍で、お母さんはアタフタしていた。
対照的に「もう帰ってこないでしょうね」と。席に戻りお茶を口に含む、純弥さんのお母さん。
「これでは婚約の話は白紙になる! いいのか、そちらの会社が被害を被ることになるぞ!」
強気な口調で、上から物を言うお父さん。すると純弥さんのお母さんは、一言だけ言った。
「結構よ」と。
「……なに? 被害が出てもいいと?」
「私は私の息子を信じていますから。息子が気乗りしないレールを無理やり歩かせたところで、先は知れている。
それなら、息子の思う人生を、思うがままに進んでほしい。その方が、必ず会社に貢献してくれます。
子を想う親なら、皆そう考えるはず――あら、若桜社長は違うので?」



