ハロウィンが間近に迫った、十月中旬。
日中は暖かいけど、たまに吹く風の中に冷たさを感じ。秋の中から冬を感じる、今日この頃。
ブレザーの上に黒のカーディガンを着た奏さんは「秋」かぁ、と。呟いた後、自分の手を見つめた。
「何もついてないですよ?」
「……じゃなくて。俺の手、よく冷たいって言われるから」
「ほう。どれどれ?」
奏さんの片手を、私の両手で覆う。
私は恋パワー全開だからか、熱が全身をまわり、体がホカホカ状態。
対して奏さんは、アイスを直接持ってたの?ってくらい冷たかった。
「ここだけ真冬⁉」
「うるさい。じゃあ、握っててよ」
ギュッ
言うや否や。
私の片手は、冷たい片手につかまる。
そして、ズボッと。カーディガンのポケットの中に、連れ去られた。



