「あんたは、俺のことを何も分かってない……っ」
ポツリと、睦は言葉を吐く。俺に向けられる目から、今だに涙が流れていた。
「俺は、あんたと暴走族がしたかったんだ。あんたを最強の総長にしてやりたかった。
俺は……千秋さんさえいれば”いい暴走族”なんだよ、バカやろー!!」
「!」
「うわぁぁ」と、睦が何度も地面に拳を叩きつける。
――そうか。
睦は、分かっているんだ。
俺が【青翠】よりも、澪音をとったって。
自分たちは、選ばれなかったって。
「うぅっ、バカ総長がぁ~っ!」
「……うん」
そうだな、と言った後。
自分の視界が、ぼやけている事に気付いた。



