この時、まさか春風からもらった発信機が役に立つとは思わなかった。
なぜなら白いリボンは”発信機つき”で、既に澪音に返していたからだ。だから澪音を探すのに、時間はかからなかった。
誤算だったのは、【青翠】と【月光】の話が宙ぶらりんで終わった事だ。
だけど……、大丈夫だろう。
「後は話していた通りに」
夕暮との戦闘が終わり、俺がそう言うと……夜野は眉をしかめ、不満そうに俺を見た。その顔には「辞めるなんてもったいない」と書いてある。
春風か、夜野か……出どころは分からないが「俺が族を辞める事」は純白にも伝わっていた。
「お疲れ様」
純白にそう言われ叩かれた肩が、妙にじんわり熱く感じる。
だけど、肩を叩かれた温度よりも熱いもの……それは、目の前で泣いている睦。俺の右腕。



