静穏総長も、時には激しく愛したい



辺りは真っ暗だというのに、春風の風貌が闇をよせつけない眩しいオーラを放っている。もしココに日向がいれば「夜なのに眩しい!」とか言いそうだ。

だというのに。

まるでもう一つの顔があるみたいに、春風は完璧に闇に溶け込む器用さも持っている。これが一位の貫禄だと言われればそれまでだが……

春風のどこをとっても、一般人のそれとは全く違う。頭のてっぺんから足の先まで、迫力の塊だった。



「……ソレ、何で持ってる?」

「”ソレ”? あぁ、リボンか」



俺のポケットから、まるで「見つけてくれ」と言わんばかりにはみ出した、澪音から奪ったリボン。



「本当、なんで持ってるんだろうな――って思ってた、さっきまではな」

「……」

「あんたの彼女に感謝する。
良い人だな、すごく」



すると、春風は「ふっ」と笑った。

勝手に人の彼女のことを語るな、と言われるかと思ったが……。彼女を褒められ、鼻高々って表情だ。