「一回、ここで練習しときます?
俺は澪音が好き、って!」
「しないから……」
「じゃあ私が先に言うので、その後に続いてくださいね? いきますよ?
俺は、澪音が――!」
「いいから!」と慌てて制止した。店内で何を暴露しようって言うんだ、この人!
「……っ、はぁ、もう……」
「!」
「!!」
照れくさくなって、なんだか体が蒸し熱い。体内にこもって逃げない熱に苛立って、半ばため息のような言葉を吐いた。
だけどここにいる女子ときたら、そんな俺を見て、一気ににんまりした顔つきになる。
「美月さん、今の見ました?
あれが、ギャップ萌えですよ!」
「うん、うんっ」
「……」
それからは、なんていういか……女子トークだった。
立花のミルクティーから湯気が消えても、カップが冷え切っても終わらない話――これが世に言う恋バナだと気づいた時には、すっかり辺りは暗くなっていた。



