「諦めちゃダメ!」
「――!」
「心を操れる人なんていない。あなたの心は、あなただけの物だよ。
だから好きに選んでいいの。生きたい人生を、あなたが選べばいい。
決定権を持ってるのは夕暮じゃない。
自分の人生を決められるのは、たった一人、あなただけなの!!」
「――……っ、」
すると、男の子から流れる一つの粒。
そろりと前髪をよけてあげると、こらえきれない涙が、男の子の目に溜まっていた。
「――……っ、泣いてしまって、ごめんなさい」
「泣くのだって、自由だよ。泣きたい時は泣けばいい。好きに泣いて良いんだから」
人生も、生き方も、泣くタイミングも。
今まで何の決定権もなかった男の子。
こんな小さな男の子に、背負わせていい負荷じゃない。これ以上この子から自由を奪うと、きっとこの子は潰れてしまう。



