静穏総長も、時には激しく愛したい


「――僕は、こんな暗いところじゃなくて……キラキラした所で生きたいです」

「お前みたいな孤児が、んな所が似合うわけねーだろ!」

「――!」



夕暮の言葉に動揺した男の子は、グッと唇を噛む。その姿に、思わず自分の姿を重ねた。



「(自分の願いが一生届かないと知った時の絶望感。私とこの子は、その痛みを知っているんだ)」



若桜の娘だからって、勝手にお見合いを設けられ、知らない人と結婚させられる――

何でもかんでもお父さんの言いなりで、私の人生「逆らわない事が当たり前」だった。逆らうって選択肢は、端から存在しなかったし。


でも、今日。

初めて……抗った。



――私は、あなたがいないと、生きていけないんだから!!



あの時、お父さんの事は考えなかった。

私は私の思うように行動し、私の生きたい道を選んだ。

もちろん後悔はない。むしろ初めて目の前がクリアになって……その瞬間から、私に幸せが降り注ぎ続けている。


だから――