「俺の傍がイヤなら、逃げればいいだろ。あ、でもそうか。
お前って帰る所がねーんだもんな?
だから俺に従ってたのか。ろくに食べる物もやらなかったのに一向に俺の傍を離れねぇから、不思議だったんだよな」
「~っ!!」
夜野さんの目の色が変わる。
それと同時に、
「夜野、――――いけ」
春風さんがエールを送る。その瞬間に夜野さんは夕暮を殴り、怯んだところを後ろ回し蹴りで、急所にヒットさせた。
「ガ……ッ!?」
それでも意識を飛ばさない夕暮の首に腕をひっかけ、夜野さんの全体重をかけ夕暮を押し倒す。やっと地面に転がった夕暮に、夜野さんが勢いよく足を置いた。
ダンッ
「ぐ、はぁ……っ!!」
「訂正しろ――」
低く唸る声。それが夕暮か夜野さん、どちらの物か分からない。だけど、この場にいる全員が、夜野さんの変化を目の当たりにした。
そう。血を流す夕暮に近づいた夜野さんの顔。
それが……
春風さんとそっくりの、キレイな怖い顔だったのだ。



