「奏さん……私、この子と話がしたいです」
「は? なに言ってるの、ダメ!」
うぅ……、やっぱり止められるよね。
だけど、そんな私たちに「いいんじゃないか?」の鶴の一声。春風さんだ。
見ると、夕暮以外の不良を全て倒した後。悠然と歩いて、こちらに向かって来ていた。
「その子が怪しい動きを見せたら、すぐに俺が仕留める。だから、話をさせてやれば?」
「でも……」
「いいから」
躊躇する奏さんの背中を、春風さんがポンと叩く。「男なら広い心を持て」と、小声で付け足しながら。
「……会った時から、この人は本当」
奏さんが不機嫌になったのが分かったけど……せっかくのチャンス。ドキドキする中、男の子に話かけた。
「ねぇ君。どうして、そんなに強いの?」
「――……」
「わ、私、すっごく弱いからさ。どうやったら強くなれるか、教えてほしいなぁって……っ」
いくら話すためとは言え、かなり苦しい事を言っちゃってる。見てよ、奏さんの顔!「何言ってるの」って、今にもため息つかれそう……!
だけど男の子は、挙動不審な私を不思議がることなく答えた。



