静穏総長も、時には激しく愛したい






奏さんを守ろうと、飛び出した私。

その体は今や、奏さんが守ってくれている。



「(ダメだよ、奏さん――!)」



男の子の威力あるパンチを思い出す。あれに当たれば、いくら奏さんとて無事じゃすまない。



――澪音!!!!



私を咄嗟に守ってくれた奏さん。

その優しさに、じわりと涙が浮かぶ。同時に役立たずな自分が、心の底から嫌になった。


あぁ、ごめんなさい奏さん。
いつも足を引っ張ってごめんなさい。

私は、私は――!



「…………あれ?」



固く閉じていた目を開ける。

待てど暮らせど、攻撃が来ない……?



「な、何がどうなって……」



目を開けて、奏さんの体の隙間から男の子を見る。

すると男の子は、私と奏さんを見て……腕を振り上げた状態で止まっていた。