「さっきの攻撃、まさか素手? 何か武器を使ったんじゃなくて……?」
奏さんの言葉に、一同が緊張を高める。その気配を察したのか、夕暮が面白くてたまらないという風に、しまりのない顔で笑う。
「俺が何の策もなく帰って来ると思ったか? その辺の不良じゃ、お前らも退屈だろ?
だから”とっておき”を用意した。どこで拾ったかは言えないが、一級品の代物だ。
倒せるもんなら、倒してみな。その命が続くまで」
「……裏で何かしてるな? 夕暮、何に足を突っ込んでいる」
春風さんが睨みを利かせると、夕暮は「ハンッ」と鼻で笑った。
「どうせ俺は追われる身だ。今さら罪を重ねようが、何も問題ねーだろ。
道に転がってたガキを一人寄こしてもらった、それだけの話だ」
「……外道が」
奏さんが、ポツリとこぼす。
だけど次には笑みを浮かべ、ポケットに入れていた自分のスマホをちらつかせた。



