「そんな事が……」
「少し前に、夕暮嵐太と夜野がやりあった時があったけど、夜野は負けちゃってね。生吹が応戦したけど、逃がしちゃったんだよ」
「そうなんですね。ということは……」
これは夜野さんにとって、雪辱戦なんだ。自分を裏切った相手を今度こそ負かすための、大事な戦い――
「蒼羽、少しは強くなったのかよ?」
「……その身で確かめてみなよ。足が震えて椅子から立てないって言うなら、鼻で笑ってあげるけど?」
「憎まれ口は、春風そっくりだな。だけど、その強気。いつまで持つか、
だな!!」
大きな体をものともせず、夕暮は椅子から立ち上がり、間合いを詰めて夜野さんに殴りかかった。夜野さんは瞬時に反応し、両腕を使って拳を防御する。
一気に近づいた二人の距離。
夜野さんの目に、不気味に笑う夕暮の顔が映る。
「そういや、お前に女がいたな?」
「!」



