そんなの、ゴメンだ。
あなたの心の中に私がいると知って、
私の心の中にも、まだあなたがいると知って。
それでも、なお。
「これが自分の運命だった」と諦めるなんて、絶対にイヤだ。
「今すぐ私に会いに来てよ、奏さん!
私は、あなたがいないと……
生きていけないんだから!!」
夕暮の部下に引っ張られながら、私と睦さんは完璧に建物の外に追い出された。
その瞬間に「やれ」と、夕暮の声が聞こえる。
「――~っ!!」
声にならない叫び声がでた、
その時だった。
「いや~、いい眺めだねぇ」
この場に響く、第三者の声。
見ると、いつものニコニコ顔の純弥さん。
そして、
「あの日の決着をつけようか、夕暮嵐太」
暴走族最強ランキング一位の春風さんが、怖い程にキレイな笑みを浮かべ、立っていた。