泣きそうな私の目に映ったのは、 トナカイの格好をした翼君ではなく 黒鼻のトナカイだった。 「離せよっ」 掴まれていた手を振り払った男は、唾を吐いて黒鼻のトナカイを鋭い視線で見た。 異様な空気が漂い、私は立つことも出来ない。 どうしよう どうしたらいいの? 黒鼻のトナカイさん……。