着ぐるみの中では泣いてるのに、 子供達の笑顔に手を振って飴を渡した。 もう、早く帰りたい。 帰って泣きたいよ……。 泣き声が漏れないように唇を噛みしめている私の前に、スーツを着た男の人が息を切らせ走ってきた。 目の前に来た男性は、トナカイの私に凄い勢いで話しかける。 「ここ、何時まで!?」 え? 私に聞くの?? 驚いた私は、両手を使って『8時』と伝えた。 私の指を見て、ほっと息を吐き 「よかった~。ありがとう」と言い店の中に入って行った男性。 私は男性の姿を目で追った。