「理帆っ!」
私は翔也に、きつく抱きしめられる。
「翔也?」
「理帆が無事で本当に良かった。もし理帆に何かあったら俺……」
翔也の私を抱きしめている手に力がこもる。
「私のこと、沢山想ってくれてありがとう。私、あのとき翔也と出会えて良かった」
「俺も。理帆に出会えて本当に良かった」
私たちはどちらからともなくキスをし、微笑み合う。
「おーい。翔也、大丈夫かー?」
声が聞こえてそちらに目をやると、以前街で翔也と一緒に歩いていた赤髪の男がこちらへと走って来る。
「おう、龍斗! お前のお陰で今日は助かったよ。ありがとな」
「あの、えっと……お知り合い?」
前に街で彼らが一緒に歩いてるのを見かけたときは確か、道を聞かれただけだって翔也が言ってたけど。
「ごめん。俺、理帆に嘘ついてた。こいつ、龍斗は本当は俺のダチなんだ。街で一緒にいたもう一人の金髪の男も」
え!?
「街で堀川たちに連れて行かれそうになる理帆を龍斗が見かけて、俺に知らせてくれたんだよ」
「そうだったの? ありがとうございます」
私がお礼を言うと、ペコッと頭を下げる龍斗さん。