萌は息を飲んでマジマジとその女子生徒を見つめた。


長い髪は腰に届きそうで、シャープな顔立ちはとても美人だ。


大樹はこんな子にまで手を出していたんだ……。


自分とは性は安泰なタイプに愕然とし、同時に大樹への不信感が一気に膨れ上がる。


「ご、ごめんなさい」


か弱い声で萌はつぶやく。


「あんたが別れてくれればいいだけなんだけど!?」


「でも、私はっ……」


言い返そうとしたけれど、できなかった。