「緊急って事は、きっと大変なんだよ。早く開けなきゃ。ほら早く、蒼羽」

「いや、本当に緊急の時こそ”お祭り”なんてタイトルでメール寄こすくらいだから、きっとどうでもいい事なんだと思う」

「はいはい、じゃあ開くね」



蒼羽は「多少」素直でない所があるので、明里のリードがあってちょうどいい……のだけど。

今回に限り、蒼羽は「明里にメールを開かせなければ良かった」と。もう少しして後悔する。



「えーと、なになに。”全員強制仮装によるハロウィンピニャータ祭り開催について”……なにこれ?」

「本当、なにそれ……」



聞いた途端に力が抜け、ベッドにボスンと横になる蒼羽。

「ほらね、大したことなかったでしょ」と言いたいのを我慢していると、明里が「しまった」と口にした。