「明里は、俺が絶対に守るから」
そんなことを言うのだった。
これには明里も「暴走族関係で何かあったのだ」と悟る。それに、いつもは控えめな蒼羽が、こんなことを言うなんて、と。
いつもにない異変を感じ取った明里は「うん」と、蒼羽に抱きついた。
「私は何も怖くないよ。だって、」
この腕の中が、一番安心なのだから――
「そうでしょ?」
「明里……うん」
それを聞いた蒼羽は、明里を更に抱きしめる。
そしてふと我に返った瞬間に、自分が描いたのっぺらぼうの顔と目が合って、思わず吹き出すのだった。
「ちょっと、蒼羽ー!蒼羽が被せたんだからね、この仮面!」
「うん、ごめんごめん」
ところ変わって。
美月のアパート。



