子兎さんは俺様総長のお気に入り



1週間前──




「いった…っ!」




「え、どうしたの?」





朝、麻衣と下駄箱で会って挨拶しながら上履きに履き替えると上履きの中に画鋲が入っていた。




「うさぎ怪我してない!?
なんで画鋲なんか…とりあえず保健室行こ」





絆創膏を保健室で貼ってもらって教室に戻る。





「うさぎ何探してるの?」




「次の数学の教科書持ってきたはずなんだけど…
おかしいな机の中に入ってない。

隣のクラスから借りてくる!」




私ががさごそ机の中探して、終いには机の中のものを1回全部出してたから麻衣が振り返る。



いつも、前の日に必要な教科書を準備してるから忘れることはない。




今までで忘れ物なんてしたことがなかった。





「ナイスタイミング健太くん!
数学の教科書忘れちゃったから貸してほしい…!」





「うさぎちゃんに会えるなんてラッキー。
すぐ持ってくるから待っててね」





「ありがとう〜」





なんとか教科書なしで授業を受けるのは回避したけど。