「うさぎはさ、理王さまのことどう思ってるの?」
「どうって、俺様でわがままで厄介で面倒くさい!
けど…」
「けど?」
「普段大人びているのに、たまに無邪気に笑う時があってその時は嬉しかったかな」
思い出されるのはあの夜景を見た日。
お気に入りの場所に連れて行ってもらって、私の話を聞いていた時すごく楽しそうだった。
私を知ろうとしてくれて嬉しかった。
思い出に浸っていると、麻衣の一言で現実へと引き戻される。
「うさぎ、恋してるね」
「ええ!?今そーゆー要素あった!?
絶対ありえないよ!私、タイプじゃないし」
「無自覚なのね…。まぁ、慣れれば同居も案外悪くないかもよ?
頑張れ、うさぎ!今日は話してくれてありがとうね」
無自覚と言われる意味がわからなかったけど、とにかく自分の中の心のモヤが晴れた気がした。
放課後の寄り道、夢だったから今日は本当に楽しかった。


