「本当に緊張だけか?」
「そうだけど何?」
島崎理王は、じーっと私の目を見つめる。
全てが見透かされてそうで目を逸らす。
「なら、今からお願いしても聞けるな?」
「問題ないよ!」
「姫になれ。」
「ええ、もちろん!」
「……。」
あれ、今なんて?
嘘がバレないように元気に振舞ったけどとんでもないお願いされなかった?
「あの、何になれと?」
「姫。」
「あ、ごめんなさい無理です。」
姫なんて柄じゃない。
お姫様って、お金持ちですごく美人で、お上品でおしとやかな人でしょ?
私1つも当てはまってない。
「女に二言はなしだ。」
「え、そんなこと言っても私姫として何も当てはまってないよ?」
「何言ってんだ?」
いや、あなたこそ何言ってるの?
自分で姫になれとか言っておいて何言ってるんだ?はおかしくない?
彼の頭にもハテナが浮かんでいるけど、私もその2倍ハテナが浮かんでいる。
「だはは!おい、理王面白い子兎だな。
こいつ多分姫の意味わかってねーよ。」
「失礼な!姫はお姫様でしょ!?
知らないわけないじゃん!」
大翔に小馬鹿にされてムキになる。
「だから、お金持ちですごい美人で、お上品でおしとやかな人でしょ?」
「だははは!ほら、わかってねーじゃん!」


