「どうぞ理王さま」
眼鏡の女性は扉を開けて、一礼をする。
入れば、よくドラマなどで目にする茶色い社長机。
それから背もたれが長い椅子に座る、どこか理王に似ている男性に、その隣で腕組をしながらこちらを見ている綺麗な女性の姿があった。
最初に口を開いたのは、理王のお父さんと思われる人だ。
「来たか理王」
「高校のうちは俺に干渉しない、はずだろ?」
「早川財閥のご令嬢がどうしてもお前との婚約を望んでいる」
「会社は継ぐが、相手まで決められたくないね」
理王は部屋に入ってもずっと私の手を繋いだままだった。
そして、その握っていた手に少しだけ力が入る。
「理王!恋人ごっこはもう終わりよ。みり愛さんと婚約準備を始めなさい」
「うさぎとこの会社を継ぐつもりだ」
「いい加減にしなさい!何も肩書きのない子を島崎家には迎え入れません」
次にお母さんがかなり強い口調で私を拒否した。


