隙間がないくらいぎゅっと抱きしめていた身体を離して、理王に向き合う。
目は多少腫れているかもだけど、さっきとは違う自信に満ちた表情で。
「ありがとう、理王。もう、大丈夫」
「いつもの表情に戻ったな」
「私、頑張るから。理王の隣にいられるように」
「別に俺は今のお前で構わないんだが」
「ううん、理王が良くても私が嫌なの」
今の私が好きって理王は絶対に言う。
その優しさに縋るようにいる私が許せないのだ。
誰がどう見ても納得する、そんな女性に私はなりたい。
「そっか、無理はするなよ」
「うん!ありがとう」
彼の大きな手のひらが、私の頭をポンポンと撫でた。
その言葉と支えがあれば…今の私に怖いものはない。
そうと決まれば、ある人のところへ私は行かないとだ。
自分の決意を伝えるために。
***
一限の授業は抜け出してしまって、間に合わず二限目から参加することになった私。
早川さんは自分の席で、次の授業の教科書を涼しい顔で準備していた。
「早川さん、放課後昨日の廊下に来てほしい」
「ま、また私をいじめようとするの…?みんな、怖いよ」
…っ!?
ただ話をしたかっただけなのに、彼女は涙ぐみ周りに本当に今まで私がいじめてたかのような態度に変わる。
私がいじめてる…それを信じている人達から今の状況を見たら、早川さんの席の前に立つ私はいじめてるように見えるだろう。


