もし、私がそう言えば理王は何とかしてくれるかもしれないけど…事態は絶対に悪化する。
だから私は、彼の問いには首を横に振った。
「いつもと違う状況だったから、びっくりしたの」
「嫌がらせされても、何事もなかったかのように振舞ってたお前がか?」
「その時と今の私の気持ちが変わったんだよ」
今は理王が大好きだから…気持ちを疑う訳じゃないけど、早川さんのところへ行って欲しくない。
出会った時間が長いのは仕方ないけど、名前を呼び捨てにするのは私だけにしてほしい。
…自分の中にこんな知らない感情があったなんて知らなかった。
「へえ?変わったなら俺のこと愛してるって言ってみな」
「なっ…!」
「お前今すっごく顔に出てる。不謹慎だけどうさぎの知らない一面が、また見れてこの上なく気分がいい」
「…そうだよ、理王のこと大好きだから早川さんと、これ以上仲良くして欲しくない」
「元からあいつと仲良くねーよ、お前が思ってるようなことには絶対ならないから安心していい」
理王は小動物を愛でるように、私の頭を撫でながら一切の迷いなく言った。
その言葉で今、不安になっていた気持ちが一気に消える。
こんなの私じゃないって、悩むのなんてらしくない。
彼女に届かないならそれ以上に私も努力して、理王の隣にいられるように頑張る。
だって私は、負けず嫌いで根性ある性格だから。


