「謙心!ちょっと空気読みなさいよ」
「え、なんで麻衣怒ってるの?」
謙心くんは麻衣に頭を叩かれて、ようやく黒板に気づいたらしい。
ああ、謙心くんも私がこんなことをするって思うのかな…。
普段話さない子に言われるのはまだ耐えられる。
だって、お互い何も知らないから。
けど、毎日話して仲良くしてくれてる子が離れていってしまうのは、耐え難い。
「誰だよこんなデタラメ書いたの。いつも自分より他人を大切にする子が、婚約者をいじめるわけなくない?」
「そうなんだよね、実際私は危険な所をうさぎに助けられてるし」
大丈夫、そう言い聞かせても傷つくことは傷つく。
だから2人の言葉が、嬉しくて涙がポロッと意志関係なく溢れ出した。
なにか言わなくちゃなのに、言葉を発しようとすると余計に涙が出てきて話せない。
落ち着かせるように麻衣は、私の背中をさすってくれてそのまま教室を出てあるところに移動したのだ。


