子兎さんは俺様総長のお気に入り



理王はああ言ってたけど、早川さんの表情を見ると嘘ではない気がする。




私よりも先に出会って、幼い頃からずっと理王の事を知ってるんだよね。


…胸がズキってする。



「お前は何も気にしなくていい。他になんかまた言われたらすぐ言えよ?」


「うん、わかった!」



初めて体験する胸のざわつきを、何もなかったことにして気持ちを切り替えた。


悩むなんて私らしくないから。



私は遊びではなくて、本気で理王が好きなことを彼女にもわかってもらいたい。




いつも元気なことが取り柄である私が、どん底に突き落とされることをまだ知らなかった。






***




「麻衣!おはよう」


「あ…、うさぎおはよう」


「どうしたの?」




いつものように教室へ向かって、麻衣話しかけると明らかに顔色が悪かった。


私を見て気まずそうにしていて。



麻衣の逸らした視線を追うように私も見たら、すぐに理由がわかる。




「麻衣がここまで消してくれたの?」


「来る前に消そうとしたんだけど…」


「その気持ちが嬉しい!ありがとう」



黒板には、私のことがずらりと書かれている。

良い事ならまだしも、そこにはあることないこと書かれていて、麻衣だけが消してくれていた。