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「なんか今日元気ないけどどうした?」
「え?」
「転校生案内したんだろ?いつものうさぎなら、友達になれた!って嬉しそうに話すじゃん」
黙って去る早川さんを見送った後、しばらくそこで立ち尽くしていた。
どんな顔をして帰ればいいのかわからなくて…。
あんな啖呵を切っちゃったけど、家族同士で話が決まっているのなら、間違いなく私が邪魔者だ。
でも、理王から聞いてないから違うかもしれないし…。
「うさぎ?」
「ねえ、理王って婚約者いるの?」
「は?なんでいきなり?」
「今日の転校生ね、理王の婚約者って言われたの」
「俺、婚約者なんていないしそんな話聞いてない」
「早川みり愛さん、って知らない?」
彼の様子を見て、婚約者がいないことはわかったけど…早川さんの名前を出した瞬間に、顔色が変わった。
絶対に知っている顔だ。
「どうしてその名を?」
「早川さんが転校生だったから」
「あいつは…親の仕事関係で幼い頃の顔見知りってだけだから。 婚約者ってのはあいつの嘘」
「そうだったんだ…」


