子兎さんは俺様総長のお気に入り



「私のお気に入りはここ」



家を2人で抜け出して、私のお気に入りの場所へと連れて行った。

小さな湖で、何もないけどその湖は綺麗な月を映してて輝く。
湖の周りには蛍も多く飛び、どこか異次元の森に迷い込んだかのように錯覚させる。



「月が綺麗に見えるでしょ?」



「神秘的だな」




湖の縁に2人で並んで腰を下ろす。
さっき理王のことで何も答えられなくて、どう答えたら正解なのかずっと考えてた。


一緒にいて、彼の笑顔を見て答えがでる。




「家族に1番を求められたって言ってたよね。私は、1番じゃなくても…どんな理王でもずっと好きだよ。
私が理王を1人にしない。寂しくさせない」




私にしてはくさいセリフだとは思ったけど、この気持ちが、想いが今の全てだから。


彼の手をぎゅっと握って彼の返答を待つ。




「…急に何を言うのかと思えば、今すぐ抱いて甘やかしたくなるようなこと言うなよ」



「なっ…!?」




にいってるのという前に、視界は暗くなりシトラスの香りが強くなって覆われるように抱きしめられているのだと気づく。



そのあとは特に言葉を交わすことはなく、互いの唇が触れて、静かな夜に2人だけの吐息が漏れた。




角度を変えて、上下交互にやんわり彼の唇で挟んで…下唇を優しく歯を立てられればそれは、口を開けろというサイン。