瞬時に寂しそうな表情をした原因を察してしまった。
私でも、あまり家族のことは聞かれたくないんだ…
「ごめん!言いたくなかったらいいんだ!」
「うさぎの家族のように温かさはなく、常に1番を求められてた。反抗心で黒龍に入ったのもあるな。」
「そっか…」
聞いたくせしてすぐに、上手いことも言えずに沈黙になっていまう。
なにか言わないとなのに…。
「ごめんな暗いこと話して。生まれた時からこうだから今更寂しいとかないから。
それよりせっかくここまで来たんだ。うさぎのお気に入りの場所見せてよ」
「え?」
「前に俺はお気に入りの場所を見せただろ?」
前に綺麗な夜景を見た時だ。
姫というものに無理やりなった帰り道。
2ヶ月しか経っていないのに、もう昔のような記憶だ。


