「あ〜やっぱBBQのあとって喉渇く」
塩分の摂りすぎでいつも夜中に目が覚める。
ぐっすり寝ている麻衣を置いて、キッチンへと向かう。
縁側を通ると満月を見上げ1人座る彼を見つけた。
「理王眠れないの?」
「まあ、そんなとこ」
彼の隣に私もちょこんと一緒に座る。
ここへ来てからみんながいてあまり2人になることがなかったから、久しぶりな感じがする。
そんなに時間は経ってないのに。
「お前の家族は温かいな。すごく心地がいい」
「さっき麻衣にも同じようなこと言われた。お母さんからの質問攻めで疲れたでしょ?」
「いや、知ろうとしてくれて嬉しかったよ」
…目を伏せる仕草はどこか悲しそうに見えてしまった。
そういえば私は、彼から自分の事を聞かれてこうやって家族を晒してるけど、理王の家族のことって聞いたことなかったな。
「理王は?」
「え?」


