辿り着くと、やつに押さえられていて誰かが引き剥がさないと脱出不可能な状態だった。
……そう俺は思ってた。
「理王!!!先に謝る!
私、何もせず待ってるだけは性にあわないみたい。
1秒でもはやくあなたの傍に行きたいから!」
なのにあいつは、抗争が始まってしばらくしたらやつの足を踏みつけて逃げ出した。
んとに、目が離せないじゃじゃ馬だ。
何一つ言うこと聞かずにムカつく。
なのに、好きなんだ。
俺の元にうさぎが来た時、安心して手が震えていた。
この件が落ち着いたら言わなくてはいけないことがある。
湊のところへ向かわせて、奴と対峙する。
「誰だかわかんなかったが、お前泉海斗だろ」
「へえ、思い出したんだ?」


