時間と場所を特定するのにはそう時間がかからなかった。
うちの湊が優秀だから。
急いで向かえば、写真に写っていた女が泣きながら走ってきた。
「おい、お前うさぎと一緒だったよな?」
「うさぎが私を助けるために残ったんです。
姫になるなら私と黒龍のみんなに手を出さない条件で。
皆に言わないでって言われたけど…お願いします!
私の大切な友達を、うさぎを助けてください!」
涙で顔がぐちゃぐちゃになりながら訴える女の手足は震えていた。
何も知らない状況で巻き込まれたのは同情する。
「当たり前だ。必ず連れ戻すから、大人しく待ってろ」
拳に力を入れて目的地へと向かう。


