子兎さんは俺様総長のお気に入り



いつもこういう時に助けてくれる、困った時の湊さんを見た。



「……」



む、無言の笑顔…。


完全に引かれてる。
いつも優しい人が無言って1番傷つくよね。


それによって私のHPは瀕死状態。




「うさぎ!走れ!」




大ダメージを食らって棒立ち状態だったけど、理王の声でハッとしてまた走る。




「子兎さんほんっとにすばしっこいよね」




泉海斗の声が近くて、追いつかれそうと思った時に骨ばった綺麗な手が私の腕を力強く引く。



身体が彼の身体に密着して、微かに香るシトラスの匂いが私の鼻をくすぐる。



理王だ…。すごく安心する。




「理王、助けにきてくれてありがとう」




「まじで心臓止まるかと思った。
いつも心配かけさせて、これが終わったらどれだけ心配したかその身体に全部教えてやるから覚悟しとけ」




私を包み込む腕が、震えていて本当に心配かけたのだと反省をする。




「私も…終わったら話したいことある」




「湊のところに行けるか?
すぐに終わらせる」




「うん、信じて待ってる」




理王は強い。大丈夫。
自分に言い聞かせてからまた私は湊さんの元へ走った。