「くだらなくても構わない。私もさっきまで愛の力なんて信じてなかったから。
でもね、好きだから。理王が悲しむ顔を私は見たくない」
「じゃあ、今から何されてもいいんだ?」
指先まで冷たい彼の手が私のブラウスに手をかけて、引っ張るとボタンが弾け飛んで下着が露になる。
怯えてはだめ。
表情を引き締めて。
じゃないと彼の思うツボになる。
「泣き出しそうなのに頑張るね?」
私の身体に彼の手が触れそうだった。
「海斗さん!島崎が来ました!」
「子兎さん、悪運強いね。
ちょっと一緒に来てもらうよ」
「ちょ、離して!」
閉じ込められた部屋から出ると、その部屋は2階だったことがわかり私を見上げる黒龍の姿があった。
制服ではなくて、上下黒の服でこれが麻衣から聞いた特攻服なのだろう。
普段と違くて、先頭に立つ理王は好きと自覚した途端に余計にかっこよく見えて胸が締め付けられる。


