「どうして理王に執着するの?」
「さっきまで怯えてたのに、自分の立場わかってる?」
「わかってる。私は、あなたの思いどおりにはさせない」
嘘みたいに恐怖が薄れていく。
好きな人を守るためなら強くなれるってどこかで聞いたことあるけど、信じていなかった。
好きになった人なんていなかったし、友達を守るのと同じだと思ってた。
そんなんじゃない。
絶望の中にいても、守りたい光があるから最後まで抗う力が湧いてくる。
隣にいられるように。
足枷にならないように。
力になれるように。
「あなたの目的は理王から大切なものを奪い、壊すこと。
私は、あなたに何をされても壊れない」
「ふっ、はは。
それが愛の力ってやつ?心底くだらな」
今までで1番低い声が私の耳に響く。
ずっと自分を偽って私に接触してたんだ。
こっちが彼の本性。


