「うさぎ!起きて!」
「ん…」
あれ、なんでこんなとこに…。
うっすら目を開けると心配する麻衣の顔が視界に入る。
「麻衣!怪我は!?」
「大丈夫、なんともないけど…どうしてこんなことに?」
「…私、理王を巻き込みたくなくて言ってなかったことがあるの」
泉海斗の存在を…。
理王が泉海斗に命を狙われていて、偶然倒れていた彼を助けて私まで狙われていること。
まさか学校にまで現れるとは思ってなかった。
「まったくやることが大胆なんだから。
これからどうしよう」
「それは、ごめん。
スマホ取られちゃってるから助けは呼べないね」
理王に連絡するのにスマホを奪い取られてそのまま返してもらっていない。
周りを見渡すと、古びた扉に床は冷たいコンクリート。
何かの廃墟若しくは倉庫に閉じ込められている。


