「うん!」


「…まずは、これを言わなきゃ」




 唯央くんは目をつむって深呼吸すると、パッチリと、つり目を開いた。

 それから、やわらかく目を細めて、唇のはしを持ち上げる。




「好きだよ。…帆風」




 ドキッと、心臓が跳ねる。

 じゅわりとほおが熱くなって、唯央くんから目を離せなかった。




「私も…私も、好き。大好き!…唯央っ」




 するりとほおをなでられて、はじけるように深まった笑みが近づいてくる。

 私はドキドキしながら目をつむって、自分からも顔を寄せた。


 2回目のキスは、だれにもじゃまされたりはしない。

 だってここは、安心安全な、私と唯央くんの家だから!




[終]