「わっ!」


「家のなかだったら、がまんしなくていいってこと?俺、帆風ちゃんとしたいこといっぱいあるんだよね!」


「ちょ、ちょっとは手かげんしてほしいかも…っ!」


「やだ、外でイチャイチャしないっていうのちゃんと守るから、ごほうびちょうだい?」


「ご、ごほうびっ!?」




 唯央くんが満足するようなごほうびってなに!?


 下からの期待の視線に、目が泳ぐ。




「俺さ、本当はおやすみとおはようのちゅーもしたいんだ!ひざ枕とかもしてほしいし、仕事づかれをハグでいやしてほしい!」


「えぇっ!?」


「まだまだあるよ?一緒に買い物とかもしたいし、デートもいっぱい――」


「ま、待って!私も言いたいことある!」




 しゃべり続けて止まらない唯央くんに待ったをかけると、きょとんとした目を向けられた。

 そんな顔をして、そんなことを考えてたなんて…。