「私も。…だからね?」




 唯央くんに抱きついたまま、顔を上げる。




「外では、唯央くんと他人のフリをするし、イチャイチャもしない」


「…見えないとこなら、ちょっとくらい平気だよ?」


「ダメ!唯央くんもがまんしてください」


「はーい…」




 しょんぼりと、肩を落として答える唯央くんの姿がくすぐったい。

 私とおなじ気持ちってことだもんね?


 私はほおをゆるめて、唯央くんの肩に頭を寄せた。




「外でイチャイチャできないぶん、家のなかでいっぱいイチャイチャしよ?ここならだれにも見られないし、だれにもじゃまされないもの」


「…帆風ちゃん、それ、すげぇかわいい…!」




 つぶやくように言って、唯央くんはぎゅーっと私を抱きしめ返す。

 となりに座ってたのに、抱き上げられて、唯央くんのひざの上に乗せられてしまった。