お風呂にも入って、ご飯も食べて。

 テレビで流れるバラエティー番組を見ながら、ソファーに座る。

 いつもどおりの流れ。寝るまえの、ほんのすこしの時間。


 私はとなりに座る唯央(いお)くんの体に、ぎゅっと抱きついた。




「!帆風(ほかぜ)ちゃん、どうしたの?」


「今日は、いろいろあったでしょ…?」




 みんなのまえで、唯央くんは私のパートナーだって言いたかった。

 みんなのまえで、いつもみたいに唯央くんとはなしたかった。

 思いっきり、抱きつきたかった。


 でも、それをすると、今日写真を撮られたときみたいに、大変なことになる。

 今回は、水泳勝負でなんとか円満に収まったけど。

 これからもそうだとはかぎらない。




「…こわかった?」


「うん…スキャンダルになるのも、唯央くんとパートナーじゃなくなるのもいや」


「それは、俺もいやだな。帆風ちゃんとは、ずっと一緒にいたい」