「言っておくが、あんたの存在を知ってるのも俺だけだ。便宜を図れと言いたいんだろうな」
「そ、そうなんだ…」
「…で、あいつが予定を変えて水泳部体験を希望したのと、関係があるのか?」
腰に手を当てて、飛鷹くんは画面の中よりも表情の変化がとぼしい顔で私を見る。
唯央くんが飛鷹くんにだけパートナーのことをはなしたのって、飛鷹くんがするどいからじゃ…?
「え、えっと、実は2人でいるところを写真に撮られちゃって…水泳部の先輩なんだけど、その写真をかけて、水泳勝負することになったんだ」
「ふぅん…あいつにしては抜けてるな。まぁ、そういう事情なら安心して見てろ」
「えっ?唯央くんってやっぱり水泳得意なの?」
「それは知らない。でも、なにかをかけた勝負なら唯央が負けることはない」



