【短】マッチングしたパートナーは、人気アイドルでした!?

****




「えっ、そんなことがあったの…?た、大変だね」


「うん…奏輝(そうき)先輩があそこまでするひとだとは思わなかった」




 空になった弁当箱を片付けながら、ため息をつく。

 日陰にいるとは言え、暑いから、フェンスを通り抜けて吹いてくる風が心地いい。




「そうだね…わたしもひどいことだと思う。パートナーの入れ替えは一応できるけど、そんなやり方…」


「腹黒でこわいひととは言え、ちゃんと優等生でもあったのに…」


「…帆風ちゃん。月丘(つきおか)先輩がそこまでするくらい、帆風ちゃんのことを好きなら…」




 せなっちはひざの上の弁当箱に手を置きながら、私を見た。




「ちゃんと断ってあげないと、先輩も気持ちの整理がつけられないと思うな」


「…そう、かな」