私はあわててスマホを取り出して、通知を見る。




[はなしがあるから、3階の空き教室で待ってて]


「あ…!」




 これ、私のせいだ…!

 あのとき、メッセージの内容をちゃんと見てれば…!




「これ、あいつの?」


「う、うん…ごめん…私のせいで…」


「ううん、俺もちょっと舞い上がってた。ちゃんと見えないとこ選ばないとなー」




 唯央(いお)くんは片手で髪をくしゃくしゃっとして、軽く言う。

 ぜんぜんあせってるように見えないけど…大丈夫なのかな?




「唯央くん…勝負なんて、本当にいいの?私、なんとか先輩を説得して…!」


「むりだと思うよ。ああいうやり方は気に食わないけど、帆風(ほかぜ)ちゃんをあきらめられない気持ちはわかるし」


「!」


「それよりさ、俺が勝ったらおかえりのちゅーもしてくれない?」


「えっ!?」